特集 アナフィラキシス
III.アナフィラキシーにおける好塩基球および好中球の役割
田中志典
1
,
遠藤康男
2
,
菅原俊二
3
Yukinori Tanaka
1
,
Yasuo Endo
2
,
Shunji Sugawara
3
1東北大学大学院歯学研究科口腔分子制御学分野/東北大学大学院歯学研究科歯学イノベーションリエゾンセンター
2東北大学大学院歯学研究科口腔分子制御学分野
3東北大学大学院歯学研究科口腔分子制御学分野 教授
pp.1126-1136
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201308026
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従来,全身性アナフィラキシーはIgE,肥満細胞,ヒスタミンに依存すると考えられてきた(古典経路)。しかし,マウスモデルを用いた最近の研究から, IgG を介した代替経路の存在が明らかとなった。代替経路は血小板活性化因子(PAF)に依存し,単球/マクロファージや好塩基球,好中球が関与し得る。意外なことに,能動的全身性アナフィラキシー(ASA)は主に代替経路により引き起こされることが分かってきた。これらの知見がヒトの場合にも当てはまるかどうか,今後の研究が期待される。