特集 アナフィラキシス
I.アナフィラキシー研究の歴史
羅智靖
1
Chisei Ra
1
1日本大学医学部分子細胞免疫・アレルギー学分野教授
pp.1112-1119
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201308012
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18世紀末のジェンナーによる種痘の成功以降ワクチンの開発が始まり,19世紀にはパスツールによる生ワクチンの開発,ベーリング,北里による血清療法など疾患の予防治療の華々しい成功があった。その経過の中で,ワクチンによる予防と反対の現象が1902年にリシェーによって発見された。即ちアナフィラキシー現象の発見である。 I 型(即時型)過敏反応のプロトタイプが劇的な全身性アナフィラキシー(ショック)として発見されたことになる。IgEによるアレルギー反応の科学的な実験は,プラウスニッツとキュストナーによるP-K反応(1921年)と呼ばれる生体実験に始まり,その後石坂によるIgEの発見(1966年)につながり,アレルギーの分子メカニズム研究への道が拓かれた。