特集 アレルギー疾患治療の有効性評価
I.内 科 3.バイオマーカーからの評価 ~気管支喘息の気道炎症を反映するバイオマーカー~
玉田勉
1
,
一ノ瀬正和
2
Tsutomu Tamada
1
,
Masakazu Ichinose
2
1東北大学大学院医学系研究科呼吸器内科学分野
2東北大学大学院医学系研究科呼吸器内科学分野 教授
pp.224-233
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201502028
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気管支喘息における気道炎症には,Th2系のサイトカインにより気道局所に誘導される好酸球や肥満細胞などが関与している。近年,喘息で特異的に上昇する呼気NO濃度の測定を非侵襲かつ簡便に行うことが可能となった。現時点で喘息の診断には有効であるが,喘息管理の指標としては喀痰中好酸球数のほうが優れるとされる。呼気NO測定は簡便で低侵襲,さらに短時間で結果が得られるという長所を有し,喘息管理における有用性についてのエビデンスの構築が待たれる。また新規分子標的薬の登場とともに,その有用性の指標としての特定の炎症マーカーについても注目されてきている。