特集 アレルギー疾患とバイオマーカー
1.成人喘息のバイオマーカー
大畑秀一郎
1
,
村田順之
1
,
松永和人
2
Shuichiro Ohata
1
,
Yoriyuki Murata
1
,
Kazuto Matsunaga
2
1山口宇部医療センター呼吸器科
2山口大学医学部附属病院呼吸器・感染症内科教授
pp.26-35
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201901026
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気管支喘息は気道の慢性炎症が本態であり,多様性に富んだ疾患である。その病態を理解するためにバイオマーカーが必要であり,従来は気管支鏡検査が施行されたが,その侵襲性の高さから繰り返し評価することは困難であった。近年,その気道炎症を,喀痰,血液,呼気で低侵襲に評価可能となっている。本稿では,実臨床におけるバイオマーカーとして喀痰好酸球,末梢血好酸球,immunoglobulin E(IgE),呼気一酸化窒素(nitric oxide:NO),実臨床への導入が待たれる新規バイオマーカーとして血清ペリオスチン,呼気NO肺胞成分(alveolar NO)の臨床的意義を中心に概説する。