特集 アレルギー疾患とバイオマーカー
1.小児喘息のバイオマーカー
藤澤隆夫
1
Takao Fujisawa
1
1国立病院機構三重病院 院長/アレルギーセンター
pp.50-57
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201901050
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小児の喘息の多くはTh2優位のアトピー型である。バイオマーカーとしては,呼気一酸化窒素(NO),好酸球,総IgE(immunoglobulin E),アレルゲン特異的IgEなどTh2型免疫反応を反映するもので多くの検討がされている。乳幼児の反復喘鳴ではその予後に関連していくつかのフェノタイプに分類されるが,学童期にIgE関連喘息に進展する例を同定するために,これらのバイオマーカーが有用である。また,喘息の診断,重症度判定,治療薬選択,モニタリングに用いることもできる。しかし,非IgE関連喘息については,その病態もまだ十分に解明されておらず,バイオマーカーの同定は今後の課題である。