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第1土曜特集 喘息の発症メカニズムと治療・管理
診断と治療・管理
成人喘息の診断・管理のためのバイオマーカー
Biomarkers in diagnosis and management of asthma
藤野 直也
1
,
杉浦 久敏
1
Naoya FUJINO
1
,
Hisatoshi SUGIURA
1
1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野
キーワード:
好酸球
,
呼気一酸化窒素(FeNO)
,
IgE
Keyword:
好酸球
,
呼気一酸化窒素(FeNO)
,
IgE
pp.75-78
発行日 2022年4月2日
Published Date 2022/4/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2810175
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喘息患者は不均一な集団であり,臨床症状,病態病理,治療反応性が患者間で異なることから,層別化による個別化医療や先制医療の開発が課題である.このためには,診断・フェノタイプ分類,予後予測,治療反応性予測,治療効果モニタリングに有用なバイオマーカーの開発およびエビデンスの蓄積が求められる.喘息では,喀痰好酸球,末梢血好酸球,呼気一酸化窒素(FeNO),血清IgEに関するエビデンスが集積されており,日常臨床にも広く利用されている.これらは主に2型気道炎症を反映するマーカーであり,アレルギー性喘息やアトピー型喘息のフェノタイプ分類に役立ち,増悪や経年的な呼吸機能低下のリスクの高い患者集団の同定を可能とする.これらのバイオマーカーの値が高いほど吸入ステロイド薬や2型炎症を標的とした生物学的製剤の治療反応性が期待される.さらに,喀痰好酸球やFeNOは治療効果の判定やモニタリングに利用できる.本稿では,近年のエビデンスも踏まえて,広く臨床で利用されているこれらのバイオマーカーに関するエビデンス,および実臨床でのカットオフ値や注意点を概説する.
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