特集 皮膚アレルギーの研究 アップデート~経皮感作とアレルギー~
II.皮膚バリア機能とその障害メカニズム
波多野豊
1
Yutaka Hatano
1
1大分大学医学部皮膚科学教室講師
pp.836-844
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201306022
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経皮感作機序の考察において重要と考えられる皮膚透過性バリア機能は,角層バリアとその下方の顆粒層に存在するタイトジャンクション(tight junction;TJ)バリアとが担っている。最外層の角層バリアが透過性バリアの主体と考えられる一方,ランゲルハンス細胞の抗原取得時に,その樹状突起がTJを貫くことが観察され,TJバリアの動態は,透過性バリア機能と免疫学的バリア機能との連動性に深く関与するものと推察される。また,皮膚透過性バリア機能に影響を与える様々な外的・内的因子が,経皮感作機構を修飾しているものと思われる。