特集 成人気管支喘息の難治化要因とその対策
II.各論 4.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA,Churg-Strauss Syndrome〔CSS〕)
谷口正実
1
,
秋山一男
2
Masami Taniguchi
1
,
Kazuo Akiyama
2
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター 病態総合研究部部長
2国立病院機構相模原病院臨床研究センター センター長
pp.524-531
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201304048
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CSSは2012年にEGPAと名称変更された。従来強調された抗好中球抗体であるMPO-ANCA(P-ANCA)の陽性率は高くなく(30~40%),陽性例では腎障害が多く,再燃しやすいことが報告された。EGPAの臓器病変は,強い上下気道の好酸球性炎症(好酸球性鼻茸と重症喘息±好酸球性細気管支肺炎)が基本にあり,それに加え,全身諸臓器の虚血性変化などが加わる。先行する喘息は成人発症で,喘息発症時から重症で好酸球増多が目立つ症例が多い。アトピー素因は半数以下にしか認めず,かつ強いアトピー素因を有する例は少ない。気道過敏性はむしろ軽微で,持続的気流閉塞をきたしやすい。