特集 成人気管支喘息の難治化要因とその対策
II.各論 3.鼻炎や副鼻腔炎の合併
岡野光博
1
,
假谷伸
2
Mitsuhiro Okano
1
,
Shin Kariya
2
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学 准教授
2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学 講師
pp.514-523
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201304038
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
鼻炎や副鼻腔炎,特にアレルギー性鼻炎や好酸球性副鼻腔炎は喘息と合併する頻度が高い。これらの疾患では杯細胞化生や基底膜肥厚,あるいは好酸球やT細胞などの炎症細胞浸潤がみられるなど,病理学的な変化が共通している。喘息と診断されない鼻炎患者や副鼻腔炎患者でも下気道の炎症所見や気道過敏性がみられ,さらに喘息患者では鼻炎や副鼻腔炎の悪化に伴い喘息も重症化しうる。鼻炎や副鼻腔炎の治療により喘息症状および薬物投与量が改善することも知られるようになり,気道の門番(Gatekeeper)としての鼻の管理が喘息の難治化対策として重要である。