特集 成人気管支喘息の難治化要因とその対策
II.各論 2.治療に対する理解やアドヒアランスの低さ―吸入指導はなぜ必要か?,どのような指導が最も効果的か?―
大林浩幸
1
Hiroyuki Ohbayashi
1
1東濃中央クリニック 院長
pp.503-512
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201304027
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近年,吸入薬の治療選択性が拡がる中,吸入デバイスも増え,その使用法に戸惑う患者が多い。添付の吸入操作手順の説明書を丁寧に見れば,正しい吸入が出来るはずであり,吸入指導は本当に必要なのか? その答えは,内服薬と比べ著しい,吸入薬のアドヒアランス低下を防ぐことにある。さらに吸入指導が必要な理由は,吸入デバイスの誤操作“ピットホール”の是正である。患者自身は正しく吸入しているつもりでも,有効な吸入とならず,看過できない“ピットホール”がある。本稿ではその実例とともに,日常診療に潜む,ピットホール発生の3つの素因を紐解き,どのような吸入指導法が最も効果的かを考えたい。