特集 アレルギー疾患における特異抗体の意義
I.免疫学的側面 1.IgE抗体産生のメカニズム:遺伝素因と環境の影響
近藤直実
1
Naomi Kondo
1
1岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学教授
pp.14-23
発行日 2012年12月15日
Published Date 2012/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201301014
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IgEはアレルギーの中心的分子である。B細胞のIgE産生はTh2細胞が産生するインターロイキン4(IL-4)やインターロイキン13(IL-13)などにより誘導され,Th1細胞が産生するインターフェロンγ(IFN-γ)などにより抑制される。IFN-γはインターロイキン12(IL-12)やインターロイキン18(IL-18)により誘導される。IgE産生誘導にはIL-4やIL-13に加えてCD40-CD40リガンドの相互作用などのもう1つの刺激が必要である。情報を受けたB細胞内部では免疫グロブリン遺伝子の重鎮の可変部の再構成と定常部領域のクラススイッチが進み,IgEが産生され分泌される。産生されたIgE抗体はマスト細胞,好塩基球などに結合し,抗原との反応により I 型アレルギー反応を誘導する。本稿ではIgE産生メカニズムにつき概説した。