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特集 成人肺炎診療ガイドライン2017 -残された課題と研究的視点を含めて-
2.肺炎の分類と疫学
The classification and epidemiology of pneumonia in Japan
朝野和典
1
Tomono Kazunori
1
1大阪大学医学部附属病院感染制御部 教授
キーワード:
成人肺炎診療ガイドライン2017
,
人生の最終段階の肺炎
,
老衰
,
個人の意思の尊重
Keyword:
成人肺炎診療ガイドライン2017
,
人生の最終段階の肺炎
,
老衰
,
個人の意思の尊重
pp.41-47
発行日 2017年12月25日
Published Date 2017/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201801041
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日本呼吸器学会は,従来の市中肺炎,医療・介護関連肺炎,院内肺炎の3つのガイドラインを統合して「成人肺炎診療ガイドライン2017」を公表した。このガイドラインでは,院内肺炎と医療・介護関連肺炎をひとつの群として,市中肺炎をもうひとつの群としてそれぞれの診療フローチャートを示している。これは,院内肺炎と医療・介護関連肺炎には人生の最終段階(終末期)の肺炎が含まれるため,これらの肺炎では個人の意思を尊重した診療を推奨するためである。世界的には,認知症患者や終末期の肺炎の診療は個人の意思の尊重が優先されるため,治療を求めない,すなわちガイドラインの対象とならない肺炎が存在している。本ガイドラインによって,わが国においても個人の意思を尊重した肺炎診療を今後は推進していくことが期待される。