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特集 成人肺炎診療ガイドライン2017 -残された課題と研究的視点を含めて-
3.誤嚥性肺炎 -下気道感染症における嫌気性菌の関わりと自然免疫の加齢に伴う変化-
Anaerobes in the airway tract infections and the innate immune responses in the aging lung
森永芳智
1
,
栁原克紀
2
Morinaga Yoshitomo
1
,
Yanagihara Katsunori
2
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学病態解析・診断学 助教
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学病態解析・診断学 教授
キーワード:
加齢
,
自然免疫
,
細菌叢
,
歯周病
Keyword:
加齢
,
自然免疫
,
細菌叢
,
歯周病
pp.49-56
発行日 2017年12月25日
Published Date 2017/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201801049
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社会の高齢化とともに増加する誤嚥性肺炎の病態には,嫌気性菌だけでなく加齢にともなう生体側の変化もかかわっている。加齢は,嚥下機能の低下だけではなく炎症反応や免疫機能にも変化をもたらし,下気道への微生物の侵入と除去のバランスを崩している。一方,嫌気性菌は病原因子が明らかな細菌もあるが,本来は細菌叢を形成する共生微生物であり,病態へどのように関与するのかが注目されている。一般細菌と嫌気性菌との共存による肺炎への影響,肺炎と常在細菌叢との関連など,視野を広げて嫌気性菌と宿主を捉えていくことが必要である。