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特集 感染症薬の動態と耐性菌研究を基盤とした個別化医療の展望
8.リネゾリドによる治療と個別化医療
Tailor-made treatment with linezolid
萩谷英大
1
,
朝野和典
2
Hagiya Hideharu
1
,
Tomono Kazunori
2
1大阪大学医学部附属病院感染制御部 助教
2大阪大学医学部附属病院感染制御部 教授
キーワード:
オキサゾリジノン
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
,
バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)
,
リネゾリド(LZD)
Keyword:
オキサゾリジノン
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
,
バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)
,
リネゾリド(LZD)
pp.83-91
発行日 2017年3月25日
Published Date 2017/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201704083
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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などの薬剤耐性グラム陽性球菌に対する新規クラスとして2001年に国内承認されたリネゾリド(LZD)は,その優れた薬物動態・治療効果から臨床医に広く受け入れられ,臨床使用の機会が増えている。承認後もLZDの有効性・安全性に関する多くのエビデンスが蓄積され,ガイドライン等でもさまざまな臓器の感染症に推奨されている。実際の使用に当たっては,本剤の薬理学的特徴,副作用,耐性菌出現のリスク,抗菌作用以外の副次的効果,高い薬価などを多面的に検討し,他剤とのバランスを取りながら最適な抗菌薬の選択を行う姿勢が重要である。