特集 公衆衛生と死—よりよい死を迎えるために公衆衛生は何ができるか
日本における死亡・死因統計—特に高齢化に伴う不明確な死因の増加について
林 玲子
1
1国立社会保障・人口問題研究所
キーワード:
死因統計
,
老衰
,
死因不明
Keyword:
死因統計
,
老衰
,
死因不明
pp.109-117
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890020109
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ポイント
◆老衰死の急激な増加は死因統計の劣化と一蹴するのではなく、歴史的経緯を鑑みて、今後の認知症や老化に対する根本的な治療法の確立により克服できるものと考えるべきである。
◆死因不明の死亡が増加しているが、今後一人暮らしの高齢者が増加すると見込まれている中、安否確認のメカニズムを、家族だけではなく社会で構築する必要がある。
◆医療・介護保険情報と死亡情報を接続したデータの整備により、死亡に至る過程を明らかにし、老衰や死因不明死亡の対策が進展することが望まれる。
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.