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特集 感染症診療を変える新しい診断技術・検査法
1.新しい検査機器の開発の現状と今後の展開
New trends and developing diagnostic technologies for infectious diseases
大楠清文
1
Ohkusu Kiyofumi
1
1東京医科大学微生物学分野 教授
キーワード:
全自動遺伝子検査(Sample-to-Result System)
,
病態別網羅的な遺伝子検査(Syndrome-based Molecular Testing)
Keyword:
全自動遺伝子検査(Sample-to-Result System)
,
病態別網羅的な遺伝子検査(Syndrome-based Molecular Testing)
pp.41-51
発行日 2017年9月25日
Published Date 2017/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201710041
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近年の飛躍的な技術の進歩によって感染症検査は大きな変貌を遂げようとしている。核酸抽出から増幅反応,検出までをすべて自動で行うシステム「sample-to-result system」が開発・販売されている。病態別(症候群別)に想定される病原体を網羅的に検出・同定する「syndrome-based molecular testing」が特長である。また,質量分析装置を用いた迅速な菌種同定とその結果に基づいた抗菌薬適正使用への介入(Antimicrobial Stewardship)は,効果的な抗菌薬治療までにかかる時間や入院期間の短縮,死亡率の低下につながる。一方,薬剤感受性試験においても,光散乱法,デジタル顕微鏡による形態変化,“臭いセンサー”と称される比色センサーアレイなどの技術革新の恩恵を受けながら,数時間で感性菌か耐性菌を判定する機器が登場している。今後,これらの最新技術を有効に活用することによって,抗菌薬・抗ウイルス薬の適正使用,入院期間の短縮,医療関連感染の予防などが期待できる。