Japanese
English
特集 次世代シーケンサーが可能にした感染学の新しい展開
2.NGSを使ったゲノム解析の基礎研究への応用展開 3)系統地理学的な解析
Phylogeographic analysis
楠本正博
1
Kusumoto Masahiro
1
1国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門 上級研究員
キーワード:
系統地理学的解析
,
農場
,
ウシ
,
腸管出血性大腸菌O157
Keyword:
系統地理学的解析
,
農場
,
ウシ
,
腸管出血性大腸菌O157
pp.62-68
発行日 2017年6月25日
Published Date 2017/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201707062
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
近年の次世代シーケンサーの普及や情報処理技術の進歩にともない,感染学あるいは微生物学の分野では系統地理学的な解析,すなわち病原体の分布が生じた歴史的な過程を,その全ゲノム情報に基づく系統関係から解明する試みが容易になった。現在では,ある生物種が世界的に伝播・拡散した過程を追うマクロな視点での解析から,より狭い地域に限定して病原体の動態を深く追求する解析まで,全ゲノム配列を用いた系統地理学的解析が幅広く行われている。本稿では,感染学・防疫学の観点から非常に重要と思われる後者の一例として,国内のひとつの県においてウシが保有する腸管出血性大腸菌O157の系統地理学的解析について紹介する。