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特集 次世代シーケンサーが可能にした感染学の新しい展開
2.NGSを使ったゲノム解析の基礎研究への応用展開 5)PacBioシーケンサーによる細菌ゲノム・メチローム解読
Decoding bacterial genomes and methylomes by PacBio sequencer
小林一三
1
Kobayashi Ichizo
1
1杏林大学医学部 非常勤講師/パリ大学 客員教授
キーワード:
細菌ゲノム解読
,
メチローム
,
エピジェネティクス
,
メタゲノム
Keyword:
細菌ゲノム解読
,
メチローム
,
エピジェネティクス
,
メタゲノム
pp.77-89
発行日 2017年6月25日
Published Date 2017/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201707077
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「1分子リアルタイムシーケンシング」によるPacBioシーケンサーは,>10kbという超ロングリードを実現する上に,DNA塩基のメチル化を一塩基の分解能で検出できる。細菌の場合,ショートリードシーケンサーでのアセンブリー問題をバイパスし,99.999%の精度で一気に完全なゲノム配列を得ることができる。コストも1,000ドル以下と小さく,細菌全ゲノム解読方法のデファクトのスタンダードになりつつある。メチローム情報からは細菌のエピジェネティックスという新しい分野が展開している。メタゲノム研究でもショートリードシーケンシングと組み合わせることで飛躍が起きている。本稿では,この手法の原理・現状・課題をスケッチし,それによる細菌のゲノム,メチローム,マイクロバイオーム研究の例を紹介する。