- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
化学療法の領域 2017年7月号(Vol.33 No.7) 特 集 次世代シーケンサーが可能にした感染学の新しい展開 次世代シーケンサー(NGS)の登場は医学を含めた生物学全般に大きな変化をもたらしている。今後,その利用はますます一般化し,臨床現場で利用されるようになる日も近い。したがって,NGSの進歩やその利用法を早い段階で把握しておくことは,微生物学や感染症学の分野で研究・医療業務に携わっている多くの関係者にとってはきわめて重要である。 このような観点から,本特集では,NGSの現状やその利用法についての最新の情報を概説していただいた。本特集がわが国における本分野の発展に貢献することを期待している。 序 -本特集を企画するにあたって- 1.基礎編 1)次世代シーケンシングの原理 2)次世代シーケンサーによる全ゲノムシーケンスに基づいた近縁株間高精度SNPs検出に関する情報解析 2.NGSを使ったゲノム解析の基礎研究への応用展開 1)個別菌ゲノム解析 -PacBioの利用,annotationやその他の問題点- 2)菌種・サブタイプ横断的な大規模比較ゲノム解析 -進化・多様化,パンゲノム- 3)系統地理学的な解析 4)次世代シーケンサーを用いた病原性微生物の網羅的な遺伝子発現解析 5)PacBioシーケンサーによる細菌ゲノム・メチローム解読 6)難培養性微生物の1細胞ゲノム解析 3.NGSを使った微生物叢・集団の解析 1)NGSによるヒト腸内細菌叢の組成解析の進展-腸内菌叢と宿主の健康・疾病・感染症との関わり- 2)組成解析(真菌) 3)メタゲノム解析・ホロゲノム解析 4.臨床への応用(Clinical sequencing) 1)メタゲノム解析による病原体検出 -現状と課題- 2)院内感染の高精度分子疫学解析 3)全ゲノム配列解析を用いた腸管出血性大腸菌の分子疫学的解析 4)法医学への応用