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特集 改めて考えるレンサ球菌感染症
4.A群溶血性レンサ球菌感染症 2)臨床
Group A Streptococcus infection:Clinical approach
田島剛
1
Tajima Takeshi
1
1博慈会記念総合病院 副院長
キーワード:
A群レンサ球菌
,
化膿レンサ球菌
,
咽頭・扁桃炎
,
壊死性筋膜炎
,
急性リウマチ熱
Keyword:
A群レンサ球菌
,
化膿レンサ球菌
,
咽頭・扁桃炎
,
壊死性筋膜炎
,
急性リウマチ熱
pp.61-68
発行日 2017年5月25日
Published Date 2017/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201706061
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A群レンサ球菌(Group A Streptococcus:GAS)の正式な菌種名は化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)であるが,臨床の現場ではGASまたは単に溶血性レンサ球菌(溶連菌)と呼ばれていることが多い。GAS感染症でもっとも多く遭遇する臨床的な病型は咽頭・扁桃炎であり,小児においてきわめて普遍的な感染症である。その他に,皮膚感染症である膿痂疹・丹毒,軟部組織の感染症である蜂巣炎,重篤な軟部組織感染症である壊死性筋膜炎,致死率の高い劇症型レンサ球菌感染症などさまざまな疾患を引き起こす。また,直接の化膿性疾患の他に非化膿性の続発症も引き起こす。急性リウマチ熱や急性糸球体腎炎はGAS感染症のきわめて有名な続発症である。本稿では,以上にあげた疾患の症状ならびに診断・治療をできる限りup to dateな形で述べたいと考える。