Japanese
English
特集 改めて考えるレンサ球菌感染症
4.A群溶血性レンサ球菌感染症 1)基礎
Group A Streptococcus infection:Basic approach
西順一郎
1
Nishi Junichiro
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科微生物学分野 教授
キーワード:
A群レンサ球菌
,
化膿レンサ球菌
,
M血清型
,
プロファージ
,
マクロライド耐性
Keyword:
A群レンサ球菌
,
化膿レンサ球菌
,
M血清型
,
プロファージ
,
マクロライド耐性
pp.55-60
発行日 2017年5月25日
Published Date 2017/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201706055
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
血液寒天培地上でβ溶血を示すA群レンサ球菌のほとんどは化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)であり,150以上のM血清型がみられる。ゲノム上ではプロファージ領域が多く,遺伝的多様性が著明である。免疫回避因子,付着因子,溶血素,組織分解酵素,発熱毒素・スーパー抗原など多彩な病原因子を保有している。病原因子の発現はCsrS/CsrR などの転写調節因子によって制御され,転写調節因子の遺伝子変異がビルレンス増強につながっている可能性が示唆されている。薬剤感受性ではペニシリン耐性株の報告はないが,マクロライド耐性率は34~64%と高く,ニューキノロン耐性株も15%にみられ,薬剤感受性の監視が重要である。