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特集 “One Health時代”の耐性菌対策・研究
10.抗菌薬開発を促進する世界の動き・日本の現状
Incentives to promote the research and development of new antimicrobial agents against drug-resistant bacteria in global, and its current situation in Japan
平井敬二
1
Hirai Keiji
1
1杏林製薬株式会社 相談役
キーワード:
薬剤耐性菌
,
新規抗菌薬
,
研究開発促進策(インセンティブ)
Keyword:
薬剤耐性菌
,
新規抗菌薬
,
研究開発促進策(インセンティブ)
pp.111-117
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201705111
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近年,世界レベルで抗生物質・抗菌薬(以下,“抗菌薬”と略す)に耐性を示す菌(薬剤耐性菌)が増加し,また医療領域に限らず,他の動物,食品領域での蔓延が大きな問題となっている。この状態が続くと手持ちの抗菌薬での感染症治療が困難となる“Pre-antibiotic”時代に逆戻りするという危惧も出ている。これらの薬剤耐性(AMR)菌に有効な新規抗菌薬の開発が切望されているが,世界的に新規抗菌薬の研究開発は停滞しているのが現状である。このような状況を打開するために,グローバルでAMR菌に有効な新規抗菌薬の研究開発を促進する施策(各種のインセンティブ)が動きはじめている。現在,欧米で進められている促進策(プル型,プッシュ型のインセンティブ)の対応状況と日本における現状を紹介した。