連載 カラーグラフィック
画像から読み解く感染症(23)
Ⅸ骨関節 1.感染性関節炎
山口哲治
1
,
上谷雅孝
2
Yamaguchi Tetsuji
1
,
Uetani Masataka
2
1長崎大学病院放射線科 講師
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科放射線診断治療学 教授
pp.4-11
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201705004
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
感染性関節炎は一般細菌による化膿性関節炎が多い。頻度は低いが結核菌も起炎菌となる。先行感染巣からの血行性進展が多い。通常は単関節炎であり,膝関節の頻度が高い。化膿性関節炎の進行は急速で,非可逆性の関節機能障害をきたすことも多く,早期診断が重要となる。結核性関節炎は化膿性より症状に乏しく,進行が遅いものが多い。早期診断には特にMRIが優れ,関節液や滑膜肥厚はT2強調像やSTIRでおもに高信号を示し,肥厚した滑膜は造影効果を示す。関節軟骨や骨の侵食像,周囲軟部組織の炎症,膿瘍もMRIで明瞭に描出される。結核性関節炎では肥厚した滑膜や膿瘍がT2強調像で低信号を示しやすい。