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特集 “One Health時代”の耐性菌対策・研究
4.コンパニオンアニマルにおける薬剤耐性菌の現状
Present status of antimicrobial-resistant bacteria from companion animals
原田和記
1
Harada Kazuki
1
1鳥取大学農学部獣医内科学教室 准教授
キーワード:
犬
,
猫
,
基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生菌(ESBL)
,
メチシリン耐性ブドウ球菌
Keyword:
犬
,
猫
,
基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生菌(ESBL)
,
メチシリン耐性ブドウ球菌
pp.60-66
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201705060
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本稿ではコンパニオンアニマルに由来する主要なグラム陰性桿菌およびグラム陽性球菌の薬剤耐性状況について概説する。注意すべき多剤耐性菌のうち,カルバペネム耐性グラム陰性桿菌やバンコマイシン耐性腸球菌はほとんど分離されない状況である。一方で,基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生腸内細菌科細菌およびメチシリン耐性ブドウ球菌は比較的流行がみられるため,その動向については獣医療のみならず,公衆衛生上,注意深く監視していく必要がある。さらに,動物間または動物-ヒト間で薬剤耐性菌の水平伝播が生じる可能性が指摘されており,今後はコンパニオンアニマルのみならず,その周辺の環境や身近なヒトを含めたOne Healthアプローチでの薬剤耐性菌モニタリングが求められる。