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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000
1 最近話題の皮膚疾患
Pasteurella皮膚感染症—コンパニオンアニマルとのzoonosis
Pasteurellosis as a zoonosis
原 弘之
1
,
森嶋 隆文
1
,
荒島 康友
2
Hiroyuki HARA
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
,
Yasutomo ARASHIMA
2
1日本大学医学部皮膚科学教室
2日本大学医学部臨床病理
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
2Department of Clinical Pathology, Nihon University School of Medicine
キーワード:
Pasteurella皮膚感染症
,
人畜(獣)共通感染症(zoonosis)
,
コンパニオンアニマル
,
アニマルセラピー
Keyword:
Pasteurella皮膚感染症
,
人畜(獣)共通感染症(zoonosis)
,
コンパニオンアニマル
,
アニマルセラピー
pp.25-29
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903197
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日本大学板橋病院において過去15年間に分離されたペットのイヌ,ネコから感染したと思われるPasteurella局所化膿症12例について,臨床的,疫学的検討を行った.その結果,中高年,ことに60〜70歳代の高齢者に好発し,受傷部位は手・指が多く,次いで顔面であった.臨床像は,化膿性骨髄炎を併発した1例を除く,全例が膿瘍や蜂窩織炎を呈した.感染源としてイヌとネコからがそれぞれ6例と同数であった.分離されたPasteurella属菌は4種であり,検査技術の向上や関心が高まったためか,菌種の多様化が近年みられた.高齢化が急速に進むわが国では,ペットは家族の一員として扱う人たちが増えている.Pasteurella菌は多くの抗生物質に高い感受性を有するが,まれに死亡例も報告されており,さらに,本感染症の報告は年に25〜35%近い急激な増加を示しており,今後重要なZoonosisとして認識する必要があるものと思われた.
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