Japanese
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特集 “One Health時代”の耐性菌対策・研究
2.食品・環境への薬剤耐性菌分布の拡大
Antimicrobial resistant bacteria in food and the environment
重村洋明
1
,
村上光一
2
Shigemura Hiroaki
1
,
Murakami Koichi
2
1福岡県保健環境研究所・保健科学部・病理細菌課 主任技師
2国立感染症研究所・感染症疫学センター・第五室 室長
キーワード:
食品
,
環境
,
薬剤耐性菌
,
サルモネラ
,
広域スペクトラムセファロスポリン
Keyword:
食品
,
環境
,
薬剤耐性菌
,
サルモネラ
,
広域スペクトラムセファロスポリン
pp.41-49
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201705041
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One Healthの視点から見ると,食用動物への抗菌薬の投与は食料安定供給の保証および薬剤耐性菌の削減という相克する命題の両立を迫っている。食品を汚染する薬剤耐性菌の出現は,すべて食肉動物の生産に起因するものではないが,ある程度以上の寄与は疑うべくもない。本稿では食品あるいは環境における薬剤耐性菌の拡がりを示す。養鶏関連における広域スペクトラムセファロスポリン耐性サルモネラの出現,フルオロキノロン耐性のカンピロバクターの増加には今後も注視していかなければならない。水圏環境や土壌環境等,環境における薬剤耐性菌の報告は多いとは言えないが,今後も調査が必要な領域である。