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特集 感染症薬の動態と耐性菌研究を基盤とした個別化医療の展望
11.ボリコナゾールによる治療と個別化医療
Treatment and individualized medicine by voriconazole
佐藤雄己
1
,
伊東弘樹
2
Sato Yuhki
1
,
Itoh Hiroki
2
1大分大学医学部附属病院薬剤部 副薬剤部長
2大分大学医学部附属病院薬剤部 教授・薬剤部長
キーワード:
ボリコナゾール
,
治療薬物モニタリング(Therapeutic drug monitoring:TDM)
,
薬物代謝酵素
,
遺伝子多型
Keyword:
ボリコナゾール
,
治療薬物モニタリング(Therapeutic drug monitoring:TDM)
,
薬物代謝酵素
,
遺伝子多型
pp.107-113
発行日 2017年3月25日
Published Date 2017/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201704107
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アゾール系抗真菌薬であるボリコナゾール(VRCZ)は,カンジダ,アスペルギルスおよびクリプトコッカスなどの真菌に対して高い抗真菌活性を有する薬剤である。本剤は効果を発揮するために血中トラフ濃度を適切に維持することが重要であると報告されている。一方,おもな副作用としてVRCZには肝機能障害があり,血中トラフ濃度との関連性も示唆されている。また,VRCZは主としてCYP2C19により代謝され,投与量と血中濃度が非線形性を示し,またCYP2C19の遺伝子変異は60~70%であることが知られている。VRCZの個別化医療を実施していくには適切な治療薬物モニタリング(Therapeutic drug monitoring:TDM)の実施と薬物代謝酵素の遺伝子多型解析が重要である。