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特集 化学療法剤のPK-PD理論 -応用と限界-
7.オキサゾリジノン
Oxazolidinone
比嘉太
1
,
藤田次郎
2
Higa Futoshi
1
,
Fujita Jiro
2
1琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科学講座(第一内科) 講師
2琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科学講座(第一内科) 教授
キーワード:
オキサゾリジノン
,
リネゾリド
,
PK-PD
Keyword:
オキサゾリジノン
,
リネゾリド
,
PK-PD
pp.72-78
発行日 2013年10月25日
Published Date 2013/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201311072
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オキサゾリジノン系薬は1970年代に開発された比較的歴史の新しい合成抗菌薬である。本剤は他の抗菌薬とは異なる作用機序を有し,細菌のタンパク合成過程の開始段階に作用することにより抗菌力を発揮する。現在,数種類のオキサゾリジノン系薬が開発段階にある1)が,上市されているオキサゾリジノンはリネゾリドのみである。リネゾリドはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)やVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)を含むグラム陽性菌に優れた抗菌力を有しており,耐性グラム陽性菌感染症治療において重要な薬剤である。わが国では,2001年にVRE感染症に対する適応承認,2006年にMRSA感染症に対する適応承認を得て2),実地臨床に広く用いられてきている。本稿ではリネゾリドの臨床効果および副作用についてPK-PD(薬物動態学-薬力学)に焦点を当てて概説する。