連載 カラーグラフィック
画像から読み解く感染症(18)
Ⅶ 泌尿・生殖器 1.腎結核・腎肉芽腫
中村信一
1
,
山下康行
2
Nakamura Shinichi
1
,
Yamashita Yasuyuki
2
1熊本労災病院放射線科
2熊本大学大学院医学薬学研究部放射線診断学部門 教授
pp.4-8
発行日 2016年11月25日
Published Date 2016/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201612004
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腎結核の多くは肺結核からの血行性播種性転移によって生じるが,肺結核の既往のない腎結核もある。腎内外への病巣の進展度の評価においてはCTが有用である。炎症の時期により画像所見は異なるが初期にはネフロンに沿った肉芽腫がみられ,石灰化と乾酪壊死をともなうようになる。集合管内に破裂すると不整な空洞形成がみられる。腎表面は不整で局所的もしくは全体的な皮質の菲薄化がみられるようになる。腎は次第に腫大し,実質の破壊が進行すると線維化による瘢痕化を生じる。周囲に膿瘍を形成することもある。最終的には腎は萎縮・石灰化し漆喰腎となる。