Japanese
English
連載 私達の研究(165)
感染症と気管支喘息の関連
Association between infection and asthma
松瀬厚人
1
Matsuse Hiroto
1
1東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科 教授
キーワード:
衛生仮説,Respiratory syncytial virus,樹状細胞,ロイコトリエン,Aspergillus fumigatus(Af)
Keyword:
衛生仮説,Respiratory syncytial virus,樹状細胞,ロイコトリエン,Aspergillus fumigatus(Af)
pp.121-128
発行日 2016年11月25日
Published Date 2016/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201612121
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
慢性炎症性気道疾患の代表格である気管支喘息は,呼吸によって気道へ吸入される病原因子,なかでも呼吸器感染症の影響を強く受ける。呼吸器ウイルスは喘息の発症に関連するが,その影響は,ウイルスの種類,感染回数などによって一様ではない。ウイルス感染は喘息増悪のもっとも頻度の高い誘因であり,その治療はステロイドホルモンの全身投与にロイコトリエン受容体拮抗薬など既存の喘息治療薬を併用する。真菌も,喘息の発症,増悪に関連し,抗真菌薬投与が有用である可能性があるが原因真菌を同定する努力を怠ってはならない。本稿では呼吸器感染症(ウイルスと真菌)と喘息に関する我々のこれまでの基礎的・臨床的研究成果を紹介したい。