Japanese
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特集
10.肺炎の予防戦略
Prevention strategies of pneumonia
丸山貴也
1
Maruyama Takaya
1
1国立病院機構三重病院呼吸器内科
キーワード:
肺炎
,
肺炎球菌ワクチン
,
口腔ケア
Keyword:
肺炎
,
肺炎球菌ワクチン
,
口腔ケア
pp.111-119
発行日 2016年11月25日
Published Date 2016/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201612111
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肺炎は日本人の死亡原因の第3位を占める主要な疾患であるが,高齢になるほど発症率が高く,死亡率も高い。その原因としては,加齢,基礎疾患および,その治療にともなう免疫能の低下,嚥下機能の低下,咳嗽反射の低下,ADL(日常生活動作)の低下,低栄養などがあげられる。肺炎の予防戦略としては,これらの肺炎を発症しやすい原因を考慮した対策が必要である。日本人を対象とした無作為化比較試験(RCT)では,口腔ケア1),インフルエンザワクチンと23価莢膜多糖体型肺炎球菌ワクチン(PPSV23)の両接種2)~3)による肺炎の予防効果が報告されている。また,2014年からは65歳以上の高齢者に対して13価タンパク結合型肺炎球菌ワクチン(PCV13)が使用できるようになり,PCV13とPPSV23の連続接種(PCV13/PPSV23)による強力な予防効果が期待されている。本稿では各々のエビデンスを紹介し,肺炎の予防戦略について検討する。