Japanese
English
特集 血中病原体抗原とバイオマーカー
Ⅰ 病原体抗原
3.クリプトコックス抗原の臨床的有用性
The clinical usefulness of cryptococcal antigen
並川浩己
1
,
掛屋弘
2
Namikawa Hiroki
1
,
Kakeya Hiroshi
2
1大阪市立大学大学院医学研究科臨床感染制御学
2大阪市立大学大学院医学研究科臨床感染制御学 教授
キーワード:
クリプトコックス抗原
,
肺クリプトコックス症
,
クリプトコックス脳髄膜炎
,
HIV
Keyword:
クリプトコックス抗原
,
肺クリプトコックス症
,
クリプトコックス脳髄膜炎
,
HIV
pp.42-48
発行日 2016年9月25日
Published Date 2016/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201610042
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クリプトコックス症は酵母様真菌であるCryptococcus属による感染症で,おもにCryptococcus neoformansが原因となる。クリプトコックスによる感染症にはおもに肺クリプトコックス症とクリプトコックス脳髄膜炎がある。診断にはクリプトコックス抗原が有用で感度・特異度ともに非常に優れている。しかし,播種性トリコスポロン症でも陽性化するため,その点には注意を要する。画像所見と血清クリプトコックス抗原価の関係は孤立結節影と多発結節影では抗原価に有意差はなかったが,浸潤影では結節影より抗原価が高く,菌量を反映することが示唆される。また,クリプトコックス抗原は長い経過では治療に反応して減少するものの,抗原陰性化を治療終了の指標にする必要はない。