Japanese
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特集 血中病原体抗原とバイオマーカー
Ⅰ 病原体抗原
2.アスペルギルス抗原
Aspergillus galactomannan antigen
樽本憲人
1
,
前﨑繁文
2
Tarumoto Norihito
1
,
Maesaki Shigefumi
2
1埼玉医科大学病院感染症科・感染制御科 講師
2埼玉医科大学病院感染症科・感染制御科 教授
キーワード:
アスペルギルス
,
侵襲性アスペルギルス症
,
アスペルギルス抗原
,
ガラクトマンナン
Keyword:
アスペルギルス
,
侵襲性アスペルギルス症
,
アスペルギルス抗原
,
ガラクトマンナン
pp.36-40
発行日 2016年9月25日
Published Date 2016/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201610036
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血液悪性疾患や臓器移植患者においては侵襲性アスペルギルス症を発症することにより致死的な転帰をたどることも多く,早期診断と治療の重要性が増している。早期診断にはアスペルギルス抗原であるガラクトマンナンの測定が用いられる。特に血液悪性疾患の領域においてはガラクトマンナンのカットオフ値を0.5とすることにより感度を良好にできる。しかし,非血液悪性疾患においては検出感度は高くない。血清以外にも,気管支洗浄液や髄液,その他体液における測定の有用性が示されている。PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法などの検査との併用を検討するとともに,アスペルギルスに関連する新たなバイオマーカーが開発され,侵襲性肺アスペルギルス症の予後を改善することが期待されている。