増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック
各論 菌種別の培養・同定方法
真菌
クリプトコックス属菌—Cryptococcus spp.
田澤 庸子
1
1NTT東日本関東病院臨床検査部
pp.401-403
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208333
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Summary
クリプトコックス症はクリプトコックス(Cryptococcus)属菌による感染症で,その主要な原因菌種はC. neoformansおよびC. gattiiである.環境中のCryptococcus属菌は,経気道的に吸入してヒトに感染し,肺,脳・髄膜,皮膚,さらに播種性に感染症を起こす.C. neoformans/C. gattiiの同定は,墨汁法による厚い莢膜の観察,37℃の発育能およびフェノールオキシダーゼ産生で可能である.両菌種の鑑別は,カナバニン・グリシン・ブロモチモールブルー(CGB)寒天培地上の発育,またはマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計(MALDI-TOF MS)による同定でできる.
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