７．非結核性抗酸菌症の血清診断法の意義と問題点

Significance and problems in serodiagnosis of nontuberculous mycobacteria lung disease

　非結核性抗酸菌（Nontuberculous mycobacteria：NTM）症は増加の傾向にあり，その診断・管理に対する関心が高まってきている。わが国で開発されたMAC（Mycobacterium avium complex）特異的血清診断・キャピリアMAC抗体ELISA（enzyme-linked immunosorbent assay）はMAC壁抗原（MAC glycopeptidolipid-core）に対する患者血清中のIgA（免疫グロブリンＡ）抗体を測定するキットである。2011年から保険診療で利用できるようになり，次第に臨床現場で認知されるようになってきている。MAC抗体は，優れた感度，特異度，陽性的中率，陰性適中率を有し，経時的に測定することによって疾患活動性のモニタリングにも使用でき，MACの診断と管理に有用なツールである。