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連載 関節リウマチ治療中に問題となる感染症(9)
7.結核と非結核性抗酸菌症 2)非結核性抗酸菌(NTM)症
Nontuberculous mycobacteria
倉島篤行
1
Kurashima Atsuyuki
1
1公益財団法人結核予防会複十字病院 臨床研究アドバイザー/公益財団法人結核研究所 顧問
キーワード:
肺非結核性抗酸菌症
,
Mycobacterium avium complex
,
Mycobacterium kanssii
,
Mycobacterium abscessus
,
バイオ製剤
Keyword:
肺非結核性抗酸菌症
,
Mycobacterium avium complex
,
Mycobacterium kanssii
,
Mycobacterium abscessus
,
バイオ製剤
pp.158-170
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201401158
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リウマチ治療に革新的な変化をもたらした,いわゆるバイオ製剤は諸刃の剣として感染症増加という側面をもっている。結核症に対してはさまざまな対策が効果を表してきているが,非結核性抗酸菌(NTM)症はその疫学的実態も不明である。今日,多くの市中病院で抗酸菌塗抹陽性のうちの本症数は結核を上回っているのが実情である。このような中で,現代においても本症治療において殺菌的な薬剤ないし,その組み合せはなく,in vitro感受性はin vivo治療効果と一致せず,その化学療法は結核症に対するよりもはるかに困難である。近年,日,米において急増を指摘されている結節・気管支拡張型の肺非結核性抗酸菌症は中高年女性に特に頻度が高く,これはリウマチ好発群と一致する集団であり,明快な対処にはなお多くの困難が予想されている。