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特集 感染症における新薬開発のジレンマと展望 -日本が先駆者となるために-
9.感染症治療薬の新しい試み 3)エピジェネティクスの可能性
Epigenetic modifications as potential therapeutic targets for infectious diseases
石井誠
1
Ishii Makoto
1
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科 専任講師
キーワード:
ヒストン
,
メチル化
,
アセチル化
,
エピジェネティクス
Keyword:
ヒストン
,
メチル化
,
アセチル化
,
エピジェネティクス
pp.107-114
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201601107
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エピジェネティクスとは,DNA配列の変化をともなわない遺伝子発現・情報を調節する機構を言う。発生学や腫瘍学などの分野でのエピジェネティクスの重要性は確立されているが,近年では感染症学でもエピジェネティクスの重要性が報告され,研究が進みつつある。本稿では,筆者らが検討を行ってきた敗血症やインフルエンザウイルス感染症を中心に,エピジェネティクスの関与に関して概説する。呼吸器感染症におけるエピジェネティクスの関与の詳細が明らかになれば,抗菌薬に加え,将来的にはエピジェネティクスをターゲットとした創薬により,エピジェネティクスの調整による治療の可能性が広がると考えられる。