連載 カラーグラフィック
画像から読み解く感染症(7)
Ⅲ 肺 2.マイコプラズマ肺炎
福島文
1
,
芦澤和人
2
Fukushima Aya
1
,
Ashizawa Kazuto
2
1長崎みなとメディカルセンター市民病院放射線科 医長
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科臨床腫瘍学 教授
pp.4-13
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201601004
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
マイコプラズマ肺炎(Mycoplasma pneumoniae pneumonia)は市中肺炎の中では肺炎球菌に次いで多く,特に小児から10~30代の若年成人に多くみられるのが特徴的である。胸部単純X線写真の画像所見は非特異的であり,細菌性肺炎などの他疾患との鑑別には高分解能CT(High-resolution CT:HRCT)が有用となることも多い。CTでは,浸潤影,細葉・小葉性陰影,気管支壁肥厚などが特徴的な所見だが,感染機序や炎症の主座の違いにより多彩な陰影を呈することが知られている。本稿では,細菌性肺炎を中心とした鑑別診断を含めて,どのような画像所見があればマイコプラズマ肺炎の可能性が考えられるかを中心に解説する。