Japanese
English
特集 感染症における新薬開発のジレンマと展望 -日本が先駆者となるために-
9.感染症治療薬の新しい試み 1)ワクチン開発の現状
Current vaccine development in Japan
中山哲夫
1
Nakayama Tetsuo
1
1北里生命科学研究所ウイルス感染制御Ⅰ 教授
キーワード:
新規ワクチン
,
Reverse vaccinology
,
生ワクチンウイルスベクター
,
アジュバント
Keyword:
新規ワクチン
,
Reverse vaccinology
,
生ワクチンウイルスベクター
,
アジュバント
pp.87-94
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201601087
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
2008年にインフルエンザ桿菌(Hib)ワクチン,2010年春から,小児用の結合型肺炎球菌ワクチン(PCV7),ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンが認可され,暫定的に定期接種の中に組み込まれてきた。さらに,ロタウイルスワクチン,髄膜炎ワクチンが認可され,外国産のワクチンが市場の半分を占める現状であるが,水痘生ワクチン,無細胞型百日咳ワクチンはわが国で開発され,その他にも,麻疹ワクチン,風疹ワクチン,日本脳炎ワクチンを開発し,研究開発力には遜色はない。狭い国内市場を数社で占有していたが,圧倒的な資本力と組織化された開発研究力を有する外国大手企業が市場に介入し,既存のワクチンメーカーと提携が進んでいる。わが国は,ワクチンの安全性に対して敏感な市場および,いままで安全で有効なワクチンを開発してきた土壌で,メーカー間のこだわりを捨て,安全で先駆的な新規ワクチンをオールジャパンで開発することが期待される。