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特集 感染症における新薬開発のジレンマと展望 -日本が先駆者となるために-
8.感染症治療の費用対効果
Cost-benefit performance of the infectious disease treatment
本田順一
1
Honda Junichi
1
1社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院医療の質管理本部 本部長
キーワード:
感染症治療
,
院内感染対策
,
抗菌薬適正使用
,
費用対効果
Keyword:
感染症治療
,
院内感染対策
,
抗菌薬適正使用
,
費用対効果
pp.81-86
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201601081
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感染症治療の費用対効果について,院内感染対策と抗菌薬の適正使用の1点から考えてみた。院内感染対策を充実させることで良好な費用対効果が得られた。当院(雪の聖母会聖マリア病院)の場合,5年間(2006~2011年)で,100円の投資をすることで458円の効果が得られる結果であった。適切な抗菌薬の選択(スペクトラムが狭域な抗菌薬),適正な量(1回投与量を減らし,投与回数を増やす),適正な投与方法(2段階点滴法)などを駆使することで,効率的かつ効果的な感染症治療が実施できる可能性が示唆された。費用対効果を考えた感染症治療を実施することは,医療の質を向上させることにつながると考えられた。