特集 家庭医のためのワクチン・プラクティス
【総論】
ワクチンの基礎医学
山西 弘一
1
1(独)医薬基盤研究所
キーワード:
生ワクチン
,
不活化ワクチン
,
アジュバント
,
粘膜ワクチン
,
リコンビナント生ワクチン
Keyword:
生ワクチン
,
不活化ワクチン
,
アジュバント
,
粘膜ワクチン
,
リコンビナント生ワクチン
pp.638-641
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102588
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近代のワクチン開発の歴史は1798年のジェンナーの痘瘡ワクチン(種痘)の開発にさかのぼる.痘瘡は各国の行政の努力により撲滅された.その後多くの抗生物質の開発で細菌感染症,とくに結核による死亡が激減し,1970年代には,もはや感染症対策は重要ではないとさえいわれた.
しかし1970年代後半より次々と新たな感染症(新興感染症)が発生した.まずAIDSが出現し,この疾患は瞬く間に世界に広がり,現在ではアフリカ各国,中国,インドを含んだアジア全域で多くの患者を抱えている.さらにSARSが突如出現し,その死亡率の高さによりわれわれを震撼させた.最近では世界中で家禽の間で流行しているH5N1型のトリインフルエンザウイルスがいつヒトに感染する新型インフルエンザウイルスに変異して世界中で大流行するかが話題になっている.いずれにしてもこれら感染症対策には感染防御としてのワクチン開発が必須である.
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