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特集 医師が知っておくべき薬物相互作用の最近の話題
薬物代謝酵素と薬物相互作用
Drug interactions mediated by drug metabolizing enzymes
山折 大
1
Satoshi YAMAORI
1
1東京薬科大学薬学部薬物代謝分子毒性学教室
キーワード:
シトクロムP450
,
UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)
,
代謝阻害
,
酵素誘導
Keyword:
シトクロムP450
,
UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)
,
代謝阻害
,
酵素誘導
pp.505-511
発行日 2023年2月18日
Published Date 2023/2/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28407505
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薬物の代謝には多くの酵素群が関わっており,代表的なものとしてシトクロムP450(P450,分子種を指すときはCYP)やUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)などが知られている.これら薬物代謝酵素を介する薬物相互作用は主に併用薬による代謝阻害や酵素発現誘導によって引き起こされる.最近の話題として,CYP3A4とCYP3A5に対するアゾール系抗真菌薬の阻害効果の違いが引き起こす臨床上の問題,UGTによる代謝によって生成した薬物のグルクロン酸抱合体がCYP2C8を強力に阻害する事例,ラモトリギンの主代謝酵素であるUGT1A4が関わる薬物相互作用の事例を取り上げる.近年の研究の進展により,いくつかの要因が複合的に作用して引き起こされる薬物相互作用の機序を説明できるようになりつつあり,今後のさらなる発展が期待される.
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