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特集 臨床で注意すべき感染症治療薬の相互作用とメカニズム
I 感染症治療薬(抗菌薬・抗真菌薬)をめぐる相互作用 2.薬物動態から見た感染症治療薬の相互作用 -吸収・分布・排泄過程における相互作用-
Pharmacokinetic drug interactions of anti-infectives in the drug absorption, distribution, or elimination process
大野能之
1
Ohno Yoshiyuki
1
1東京大学医学部附属病院薬剤部 副薬剤部長
キーワード:
相互作用
,
吸収
,
分布
,
排泄
Keyword:
相互作用
,
吸収
,
分布
,
排泄
pp.32-39
発行日 2015年9月25日
Published Date 2015/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201510032
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吸収過程における重要な感染症治療薬の相互作用として,物理化学的要因による相互作用があげられる。たとえば,金属カチオン含有製剤との併用によるニューキノロン系抗菌薬の吸収低下の相互作用は医療現場においてマネジメントを行う機会も比較的多い。吸収過程におけるその他の重要な相互作用としては,小腸壁のトランスポーターを介する相互作用があり,たとえば,抗結核薬のリファンピシンは小腸壁にある排泄トランスポーターであるP-糖タンパク質の発現を誘導し,その基質となる薬物の吸収を低下させる。分布に関する相互作用は臨床上,問題となることは少ない。また,排泄に関する相互作用では,特に尿細管分泌過程での相互作用が臨床的に重要である。