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特集 臨床で注意すべき感染症治療薬の相互作用とメカニズム
II 系統別に見た感染症治療薬の相互作用 7.抗真菌薬における相互作用
Drug-drug interactions of antifungals
中村茂樹
1
,
宮﨑義継
2
Nakamura Shigeki
1
,
Miyazaki Yoshitsugu
2
1国立感染症研究所真菌部 主任研究官
2国立感染症研究所真菌部 部長
キーワード:
トリアゾール系薬
,
シトクロムP450
,
相互作用
Keyword:
トリアゾール系薬
,
シトクロムP450
,
相互作用
pp.104-111
発行日 2015年9月25日
Published Date 2015/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201510104
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トリアゾール系薬は抗真菌スペクトルが広いだけでなく,従来の抗真菌薬に比べ安全性が高く,また,経口投与や外来治療が可能であるなどの特徴から,深在性真菌症治療においてきわめて重要な役割を担っている。しかし,薬剤代謝に重要なシトクロムP450(CYP)による酸化的代謝やグルクロン酸抱合,膜輸送タンパク質などに影響し,臨床上,重要な薬剤とのあいだにさまざまな相互作用が存在する。トリアゾール系投与の際には,併用薬の代謝阻害と血中濃度上昇による重大な副作用の出現や,トリアゾール系薬の代謝亢進と血中濃度減少による臨床効果の減弱に注意が必要であり,可能であれば治療薬物モニタリング(Therapeutic Drug Monitoring:TDM)を行い,慎重に経過を観察することが望ましい。