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特集 Onco-nephrology:悪性腫瘍治療と腎機能障害
【CKD患者における抗がん薬治療】
抗がん薬投与の際に注意すべき薬物相互作用
Harmful drug interactions of anti-cancer drug in patients with kidney failure
山本 和宏
1
YAMAMOTO Kazuhiro
1
1神戸大学医学部附属病院 薬剤部
キーワード:
相互作用
,
メトトレキサート
,
ペメトレキセド
,
抗EGFR抗体
Keyword:
相互作用
,
メトトレキサート
,
ペメトレキセド
,
抗EGFR抗体
pp.562-566
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000109
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はじめに
腎機能の低下は多くの薬物の体内動態に影響を及ぼすのみならず,正常な腎機能患者では重大な問題とならなかった相互作用が表出することがある。腎機能低下患者のがん薬物療法を開始する際は,腎排泄型抗がん薬の用量を腎機能にあわせて調節することに加え,排泄経路とは無関係に腎機能正常者では認めない相互作用が出現する可能性に注意を払わなければならない。また,抗がん薬が代謝酵素やトランスポーターの基質となる場合に,関係する阻害薬や腎外クリアランスが低下するような薬物を精査する必要がある。さらに,透析の導入は薬物の体内動態を大きく変化させるため,腎不全により受けていたクリアランスへの影響がリセットされることを想定した患者のモニタリングが必要となる。
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