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特集 臨床で注意すべき感染症治療薬の相互作用とメカニズム
II 系統別に見た感染症治療薬の相互作用 3.マクロライド系抗菌薬における相互作用
Interaction of macrolide antibiotics to be cautious in clinical practice
岩永直樹
1
,
栁原克紀
2
Iwanaga Naoki
1
,
Yanagihara Katsunori
2
1独立行政法人国立病院機構長崎医療センター呼吸器内科
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 病態解析・診断学分野(検査部) 教授
キーワード:
マクロライド
,
CYP3A4
,
P-糖タンパク質
Keyword:
マクロライド
,
CYP3A4
,
P-糖タンパク質
pp.73-79
発行日 2015年9月25日
Published Date 2015/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201510073
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マクロライド系抗菌薬を大別すると,14員環系,15員環系,16員環系の3つに分けられる。14員環系マクロライドのエリスロマイシン(EM)やクラリスロマイシン(CAM)はシトクロムP450(CYP)3A4との結合親和性がきわめて強く,強力なCYP阻害作用を有するため,同様にCYPで代謝される薬物の血中濃度を上昇させることが知られている。また,消化管および腎近位尿細管に発現するP-糖タンパク質(P-gp)の阻害作用も有するため,CYP3A4基質でなくてもP-gp基質である薬剤については,CYPを阻害しない15員環系マクロライドのアジスロマイシン(AZM)においても,併用投与による血中濃度上昇に注意が必要である。