Japanese
English
特集 臨床で注意すべき感染症治療薬の相互作用とメカニズム
II 系統別に見た感染症治療薬の相互作用 2.キノロン系抗菌薬における相互作用
Drug interactions with quinolones
堀野哲也
1
Horino Tetsuya
1
1東京慈恵会医科大学感染制御部 講師
キーワード:
多価陽イオン
,
NSAIDs
,
ワーファリン
,
CYP1A2
,
血糖降下薬
Keyword:
多価陽イオン
,
NSAIDs
,
ワーファリン
,
CYP1A2
,
血糖降下薬
pp.63-71
発行日 2015年9月25日
Published Date 2015/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201510063
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
キノロン系抗菌薬は,カルシウムやアルミニウム,鉄などとキレートを形成するため,これらの併用投与でbioavailabilityが低下することがよく知られているが,これらの多価陽イオンを含まないセベラマー塩酸塩などのリン吸着薬でもキレートを形成する可能性がある。代謝過程における相互作用としてワルファリンやテオフィリンなどがあげられ,特にCYP1A2阻害作用のあるシプロフロキサシンで併用注意となる薬剤が多い。また,非ステロイド性抗炎症薬と併用するとキノロン系抗菌薬によるGABA(γ-aminobutyric acid:γ-アミノ酪酸)受容体結合阻害作用を増強し,けいれんが誘発される可能性がある。これらの相互作用はキノロン系抗菌薬全般に共通するものもあるが,相互作用の有無やその強さはそれぞれのキノロン系抗菌薬によって異なることに留意しなければならない。