連載 画像から読み解く感染症(2)
I 中枢神経 2.トキソプラズマ症
井手口怜子
1
,
森川実
2
Ideguchi Reiko
1
,
Morikawa Minoru
2
1長崎大学原爆後障害医療研究所アイソトープ診断治療学 助教
2長崎大学病院放射線科 准教授
pp.4-11
発行日 2015年7月25日
Published Date 2015/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201508004
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
トキソプラズマ脳症は,免疫力の低下により潜伏感染していた脳内のトキソプラズマが再活性化されることにより生じる日和見感染症で,HIV患者に合併する代表的な中枢神経感染症である。典型的な画像所見は結節状あるいはリング状の造影効果を示す多発腫瘤で,基底核,視床,大脳皮髄境界に好発する。トキソプラズマ脳症の画像診断においてMRIの果たす役割は大きいが,悪性リンパ腫や転移性腫瘍との鑑別が困難なこともある。