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連載 私達の研究(149)
マラリア原虫人工染色体による薬剤耐性遺伝子の同定法
Development of the system for identifying drug resistant gene from malaria parasites using its artificial chromosome
岩永史朗
1
Iwanaga Shiroh
1
1三重大学・医学部・医動物感染医学講座 准教授
キーワード:
マラリア,薬剤耐性問題,マラリア原虫人工染色体
Keyword:
マラリア,薬剤耐性問題,マラリア原虫人工染色体
pp.98-105
発行日 2015年7月25日
Published Date 2015/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201508098
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マラリアは世界三大感染症のひとつであり,その対策は薬物治療に依存している。しかし現在,すべての抗マラリア薬に対する薬剤耐性原虫が,出現,分布拡大していることから,その治療効果は急激に低下している。薬剤耐性遺伝子の同定は耐性機構解明に貢献するだけでなく,耐性原虫の感染・分布を調べるための絶対的な分子マーカーとなり得る。一方,我々研究グループは独自にマラリア原虫人工染色体を開発し,これを原虫由来薬剤耐性遺伝子の同定に応用することに成功した。本稿ではマラリアの薬剤耐性原虫問題について解説し,続いて我々が開発した原虫人工染色体と薬剤耐性遺伝子法について紹介して,上記問題への貢献について議論する。