治療のポイント
妊娠とトキソプラズマ症
古賀 康八郎
1
1国立小倉病院産婦人科
pp.964-965
発行日 1968年8月10日
Published Date 1968/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202329
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トキソプラズマ症とは
トキソプラズマ症は人獣伝染症の1つであって,動物のトキソプラズマ原虫が人に移行して発生するものである.トキソプラズマ原虫は1880年Nicolle & Manceauxによってヤマアラシの一種から発見されたもので,その後,哺乳類・鳥類・爬虫類から発見され,人からは1937年Wolf & Cownらがけいれん発作で死亡した新生児から発見したのにはじまり,脳水腫その他の患者から発見され,人および動物間に広く不顕性感染のあることが証明されている.
近年,妊婦における本症が胎内感染によって流早死産あるいは先天性トキソプラズマ症児を出産することが明らかになり,流早死産,および先天性異常児の重要な原因の1つとして注目されている.
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